« 映画 Chennai Express の替え歌やセリフの引用元 | Main | 映画 pk の紹介 その1 »

Nov 06, 2014

チェンナイ・エクスプレス日本版DVDの字幕検証

・ミーナが列車内でヒンディーソングを歌いラフールに「トイレに行け」と言うシーン
 Nature's call のところを 「電話だ おネエちゃんに」とか訳してますが、これはちょっとやりすぎの感あり。ネイチャーとネエちゃんをかけたんでしょうか。
 Hello, Nature? I am calling...のところ、ぼくは「もしもし? 生理現象さん」と訳してます。

・列車内 ラフールの自己紹介シーン
 Dil To Pagal Hai の有名なセリフ Rahul..naam toh suna hoga を知らないと理解できないところ。元の「ぼくはラフール、名前を聞いたことがあるだろう」を、この映画では否定文にして「ぼくはラフール、名前を聞いたことはないだろう」とやっていて、インドの映画館では笑いが起きるところ。日本語版でどう字幕つけるかは難しい。もうあっさりと「よろしく」と訳してあった。「名前を聞いたことはないだろう」でいいと思うが。
 
・列車内 ラフールのピンポンとキングコングのセリフ
 字幕では完全に無視されていた。ラフールがキングコングのマネしているのに。

・列車内 ラフールが「うちのプロダクションが・・・」のセリフ
 字幕では完全に無視。ここも笑いどころなのに。

・列車内 ミーナがラフールに「コンバン村まで来てもらうわ」と言うシーン
 「残りの目撃者はあなただけなの」とか意味不明の字幕。これはたぶんミスってます。車掌に男たちが何をしたのか「あなたはそれを目撃したでしょ」という意味。だからコンバン村まで同行するはめになるという大事なセリフなのに。

・川におちた車掌が立ち上がるシーン
 ゴアで流す予定の遺灰の代わりに車掌が流されたというセリフがうまく訳せていない。

・イッレ(いいえ)
 イッレというタミル語をおぼえたラフールが早速ミーナに「イッレ」と言って使ってるのに、字幕では無視。

・コンバン村 倉庫内で停電して話すシーン (Muthu のパクりシーン)
 あなたはとてもスマート(カッコいい)だわ というセリフを「うまいやり方ね」と訳してます。これは違うでしょ。

・ラフールがパンジャブの警官に会うシーン
 「警官権限で身体検査を」とか「それが義務だから」あたりは間違ってます。なぜ初対面でラフールとわかるのか? という問いに対して「死体の特定は警察の仕事だからね」「死体? でもぼくはまだ...」「まだならこれからだ」ときて、そのあとの「遺影」につながるのです。
Ce001

Ce002

Ce003

・酔ったラフールがミーナの父(Sathyaraj) に言うセリフ
 Ennamma Kannu ですが、「エネマ カネ?」という字幕がついてます。これはちょっと、あんまりだ。Ennamma Kannu というのはタミル映画のタイトルで、この Sathyaraj が主演してヒットしてます。だからこのセリフなのに。

・スリランカ行きの密輸船の上のシーン
 Oil is well を「すべてがオーケーだ」と訳しています。映画 3 idiots の All is well を Oil is well にしてるセリフなので、これではねぇ。せっかく「きっと、うまくいく(3 idiots)」が日本でヒットした後なのに、このセリフをスルーするとは。
 「オイル・イズ・ウェル」でもわかる人はわかる。たとえば、「密輸、うまくいく」とか、何とでもやりようがあるのに。もったいない。
 
・船上でラフールが事情説明するシーン
 「コンバン村の者は君の事を知ってるんだな」というセリフを「コンバンに行こう」と訳してます。そんな字幕つけたら、その後のサプライズを先にバラしてしまうことに。 ラフールは安全に逃げられたと安心していたらコンバン村に戻ったというオチなのに。

・村に戻されたラフールが「ぼくはスリランカ人だ」と言うシーン
 ぼくはスリ・・・デヴィ (シュリデヴィ) と言ってるのに、これも字幕では無視。せっかく今年はシュリデヴィが来日してテレビにも出たというのに。そこを訳さないとは。

・車で逃げるラフールがミーナに「車を降りろ」と言うシーン
 「降りなきゃ俺の嫁にするぞ」は間違い。「降りないのなら村に戻す」「そして君はミスからミセスだ」です。ラフールの嫁ではなく、タンガバリの嫁になるぞと脅かしてます。そのあと、これも字幕で無視されてるのが、ミーナの返しで「その前にラフールが故・ラフールね」と言ってます。それで仕方なくラフールはミーナをつれて行くという流れ。

・お寺でラフールがミーナにクムクム(朱)をつけるシーン
 偽の夫婦なのに額に朱をつけるのはとても抵抗があるので、ラフールが「それなら先に言っておいてくれよ(それなら来なかったのに)」と言ってます。字幕だと「クムクムを持ってくるのを忘れた(戻らないといけない)」みたいに解釈できてしまいます。

・何度もでてくる「ミス字幕」
 翻訳が必要な場面でラフールはミーナのことを「ミス字幕(Miss. subtitle)」と呼んでますが、これは無視されてます。

・タンガバリから逃げようとする時、ミーナが遺灰を取りに戻るシーン
 ラフールの気持ちがミーナに傾く重要なシーンです。「あれは...じいさんの遺灰」という字幕はないでしょう。「まったくもう女のやることは理解できない」が正解。英語字幕はそうです。遺灰なのは映像でわかる。急いでいるのに「女は自分のものを取りに戻った」と思った直後のラフールの気持ちを表さないと。

・カシミールとカニャークマリが
 北極と南極に訳される。「極寒」を連想してしまう。暑いインドの映画なのに。

この映画のテーマは、愛に言語は無関係で、結局"愛"だねということなのに、日本版DVDの字幕には、この作品に対する愛が不足している。この作品の良さを表そうという気持ちが感じられない。残念。

« 映画 Chennai Express の替え歌やセリフの引用元 | Main | 映画 pk の紹介 その1 »

「インド映画」カテゴリの記事

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38414/60606442

Listed below are links to weblogs that reference チェンナイ・エクスプレス日本版DVDの字幕検証:

« 映画 Chennai Express の替え歌やセリフの引用元 | Main | 映画 pk の紹介 その1 »